(注:タイトルの「ヒップポイント」を「座面高さ」に変更しました)
カーヴィンではたくさんのラインナップではありませんが、レカロシート数種類とそれを設置するためのシートレールを取り扱っています。
レカロ -カーヴィン取り扱いページ
ご存じない方に簡単に説明させて頂くと、レカロはドイツの自動車用座席、航空機用座席、その他スタジアムや劇場の座席メーカーです。
車好きには昔からあこがれの後付け座席(以下シートと呼びます)ですが、車に興味ない方でも最近では野球やサッカーのベンチ座席でこのロゴを見かけることがあるかと思います。
ドイツでは医療器具として認可を受けているモデルもあるなど、人間工学に基づいた設計により腰痛防止に効果があるとして指示されいる、それはそれはすぐれたシートですが、一度でもレカロを取付けたことがある、または座ったことがある人には共通して持っている難点があります。
それはヒップポイント(座面の高さ)です。レースの世界や多くのスポーツカーに使用されていることやとシートデザインから受けるスポーティーなイメージからは信じられないくらい座面が高くなってしまうのです。(車種により程度の違いはありますが)
「レカロシート取付けたその日から、ぐっと沈み込むようなシートポジションで車と一体になって疾走する」そんなイメージを取付前は持ちますが、実際に座ってみると妙に腰高で「車と一体」とはほど遠いくらいに自分の体だけ浮いた感じで「ん??」となってしまいます。
極端な表現ですが、トラックかバスの運転席に座っているような感じと言えばよいでしょうか。
ボクも免許取得後に初めて買った中古のトヨタコロナに、これまた中古のレカロシートを初めて取付けたとき「えーっ!こんな高くなっちゃうの?イメージ全然違う」と憤慨したものでした。
クロカン四駆などでは悪路走行時に周囲が見渡しやすくなって良いかもしれませんが、セダン系やスポーティーカーで高いヒップポジションは全く興ざめです。10万円以上出してレカロ買ったのにこれは無いよ~って感じですね。
なお、レカロシートだけでは車に取付けることが出来ず、車種別の専用金具(シートレール、レカロ社ではベースフレームと呼んでいます)を用いて設置するんですが、シートポジションへの不満の声を反映してか車種は限定されますが「ローポジション」のベースフレームをレカロ社では用意しています。
そんなくらなら最初から低いポジションになるように作ってくれとボクなんかは思いますが、おそらく皆さんもそうでしょう。
このヒップポジションに関してはハイエースにおいても例外ではありません。
もともと座面が高いハイエースですから、後付けの座席では少しでも高さを低くしたいというのが人情ですがそうは問屋が卸しません。
ハイエースは運転席の真下にエンジンがあるので、座席とその下のエンジンフードに全く余裕がありません。 したがって純正の座席は他車種と比較してもかなり座席自体が低めに作ってあるようです。 しかしながら汎用性が大事なレカロのような後付け座席はハイエース向きの構造をしていないため、どうしても物理的な制約からヒップポイントが高くなります。
ウチで取り扱っているシートレールも限界まで低くなるように作ってあるんですが、上記の理由から純正座席よりもほんの少し高くなります。
ただし人間が感じるシートポジションは、単純に座席の高さだけで決まるわけではありません。
シートポジションを決定する、あまり知られていない盲点とは?
次の記事ではそのへんのところをもう少し説明したいと思います。