レカロシートを検討するときに悩む「座面高さ」とは?vol.2

前回のエントリーで、自動車の座席をレカロシートに変更すると座面が高くなってしまうって事について書きました。
レカロシートを検討するときに悩む「座面高さ」とは?vol.1

今日はその続編です。
レカロシートの純正取付金具は大体どんな車種もなぜか座面が高めになるように作られています。全部把握している訳ではありませんが、ユーザーさんのブログなどを拝見していると一部車種では低くなることもあるようですが、まあ概ね高くなっていてそれがオーナーの悩みだったりします。

さて、物理的に座面高さが純正シートより高くなるということもあるんですが、ボクが考える「高さ」は、また別の要因があるように思います。

座面の高さ以外に、「高くなった」と感じる要因とは

車って複雑な構造をしていますから、スケール(物差し)で座面高さ何センチと計るのは結構難しいのですが、なんとか計測して比較してみると、純正シートとレカロではそれほど変化は無かったりします。シビアに計測しても5mm~1cm程度とか。
それなのにいざ座ってみるとレカロはすっごく高くなったように感じる。
いや実際目の高さが明らかに違ってる、レカロを取付けたオーナーさんはこんな感じがしています。

理由1:クッションの硬さ

まず第一にクッションの硬さが違う。
レカロの特徴の一つとしてシートクッションの硬さがあります。ドイツの人は座席はカチッとした座り心地が好きなようです。
対して日本車は柔らかい。手で触ってみてもグニョグニョ、プヨプヨしています。日本人が考える座り心地の良さとは柔らかさなのでしょう。

柔らかい座面と硬い座面では、当然座ったときの沈み込みが異なります。このため純正シートの時より沈まない分、目の高さが高いのでしょう。

当然個人差もあるわけで50kgの人と100kgの人では沈み込み量はおのずと違うので、座っていない状態での高さ計測は多少参考にはなりますが、実はそれほど意味がありません。

理由2:シートの形状

recaro-side
レカロを初めて見た人はまず脇腹のところで突き出たサイドサポートに目が行きます。体を支えるサイドサポートでサーキット走行での横Gにもふんばりが効く、みたいな。

これはこれで大事なレカロの特徴なんですが、でもボクが考えるレカロの良いところはサイドサポートではなく背もたれのカーブと座面のカーブが絶妙なことなんです。

recaro-forme

人の背骨は立っている時ゆるやかなS字カーブになっているのはみなさんご存じでしょう。この形をキープすることが脊椎の負担を軽減できるので、レカロシートは座ったときもこの形をくずさないようになっています。
これにより長時間のドライブでも疲労や腰への負担が少ないとされています。
また座面の形状としては、お尻より太もも側が高くなっていてお尻が前にずれにくいというのが正しい姿勢のキープに役立っています。

方や純正シートはあまりそういったことを考慮されていないものが多いですね。いえ自動車メーカーさんは十分考えていらっしゃると思いますがあくまでもボクの実感として。
クッションも柔らかいし形状もアバウトなため、座る姿勢もけっこういい加減に座ることになります。
具体的には、腰を前にして背中を丸めた状態。
例えば電車に乗って車内を見回して下さい。
男性はほぼ100%腰を前にずらして座っていることが判ります。女性は比較的きちんとした姿勢で座っている人が多いですね。
男性は体の構造的にこんな姿勢になりがちなんです。

ボクは昔からレカロを扱ってきたこともあるし、腰痛持ちということもあって「姿勢」にとても敏感です。電車に乗ったときでも乗客の座り方を観察しちゃいます。
そういうボクも座高が高いせいでレカロ以外の車に乗るとこのような姿勢になることが多いです。

ピン!と背筋を伸ばして(強制的に伸ばされて)座るレカロと、背中が丸くなる純正シート。
目の高さが変わってくるのは明白ですよね。

以上のように、人が座っていない状態で座面高さが同じであっても実際に座ったときの実感が異なることがご理解頂けると思います。

-社長日記

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